ALOHA!ハートバランス・コラム
EP07 セルフ・プレゼンテーション
日本の大学に居た時と一番違うなと思い知らされたのは、やはりアメリカの大学では、コミュニケーションやディベートの力を延ばす事を学ばされるということでした。
自分のプレゼンテーションで聞いている相手をどう巧く納得させ、説得させられるか。 コミュニケーションや、ペーパー、そしてビジネスのクラスでもばっちり習いました。
…実は日常的にも色んな場面でアメリカ人の彼から学びました。
例えば、携帯電話会社Sprintに私が電話した時のことです。
携帯の請求書について納得がいかないので、一人でクレームを言っていたら彼が“Sprintに電話して直してもらいなさい。”と。
当時電話で話す英語は、自信がなかったし、更に抗議の電話となると話は別。
彼に「やって~」と頼んだら、“これくらい自分でできないとアメリカでやっていけないよ。”と断られ、自分で電話する事になったので再度トライです。
が…Sprintの担当者の説明を受け、あっさり断られてたったの3分で終了。
すかさず彼に「何とか何とか(理由は覚えていない)で、どうもこれは、私が払わないといけないんだって?。」と言うと、彼は “もう一回電話かけ直して、 違う人が出るから次は相手にYesと言わせるまで切っちゃダメだ。もっときちんと理由を論理的に説明し、どうして欲しいのかをはっきり言わないとダメだよ。 相手には相手の言い分があって、向こうは払い戻したくないんだから、相手が納得するように話さないと言い負かされて当たり前だよ”
私は“。。。。。。わかった。”
そして、再々度の挑戦です。
次は、相手に言い負かされないように自分の主張をきちんと説明し、どうして請求書が間違っているのか、どうして欲しいのかをはっきり相手に伝え、
論理的に説明をしたところ、話の末に相手が納得し払い戻しに応じてくれる事になったのです。先程とは180度違う結果です!!
自分の話の持っていき方、プレセンテーションの仕方で相手の判断が変わります。
本当は、どっちが正しいか、なんてあまり関係ない場合もあります。
ここでは、だめだからとにかくダメ、という一点張りだけではありません。
他の例えは、スピード違反のチケットを切られた時。
どう考えてもスピード違反で捕まったら普通は抗議のしようがありませんが、ここでは市の裁判所にレターを書いて抗議ができる。
と言うか、説明をする機会を与えられますので、そのレターを裁判官が読み、判断次第ではチケット代金が半額になったり、時には見逃される場合もあるのです。
全ての事において、良い・悪い両面があると思うので、どっちが良いか、正しいかではありません。 アメリカは、自分次第でどうにでも出来るチョイスのある所だと思います。 勿論ルールはありますので、ルール違反をすすめている訳ではありません。 しかし、自分のプレゼンテーション次第では、相手が納得するかしないか、自分の売ろうとしているアイデアを相手が買うか買わないか、 で決まる事が沢山あると思います。
実際に、アメリカで私は何度もそうやって行動し、自分の望む事を手に入れた事が沢山ありますし、逆にそうしないと損、という事も沢山あります。
自分が働いていても、シチュエーション次第で判断できるフレキシビリティ、適応能力が要されます。
それが良いか悪いかではなく『それがカルチャーなんだ』と思っています。諺にあるように【郷に入っては郷に従え】ですね。
因みにこのやり方を日本で試してみたところ、全く通じませんでした。(爆笑)
「だめなものはダメ!!」でした。
その代わり、一定の基準を守っているこのやり方はフェアだと思います。
やっぱり、「郷に入っては郷に従え」って本当ですね。